研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

1998〜2002年に新潟県に分布したイネいもち病菌レース

石川浩司1・小潟慶司2・堀 武志1・原澤良栄3・佐々木行雄11新潟農総研作物研・2中越防除所・3新潟県経営普及課)

5カ年の品種作付け状況は,Pik-s型は79.6%から82.4%に微増,Pia型は9.7%から6.5%に微減,Pii型は5.1%から8.2%に微増した。いもち病菌のレース分離率は年次変動が小さく,主にレース001.0,003.0,005.0,007.0,037.1が分離され,001.0,003.0の分離率が高かった。同一地域内のコシヒカリから分離されるレースは調査地点によって異なり,あるほ場に分布するレースはイネの真性抵抗性遺伝子型とともに,ほ場周辺の狭い範囲の品種構成や伝染源の影響が大きい為と推定された。また,Pik-s型品種の作付け率が高い魚沼地域では001.0のみが分離される地点が多く,他地域では001.0以外が分離される地点が多くなり,地域の品種構成やレース分布を反映していた。地域の抵抗性遺伝子型別作付け率とレース分離率には正の相関が見られ,Pik-s型以外の品種の作付け率増加に伴い,001.0の分離率は急速に低下する傾向が見られた。以上から,レースの分布は地域における真性抵抗性遺伝子型別作付け率の影響を受け,多犯性レースが優占するPia型やPii型品種の影響が大きいと考えられた。

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2009.1.8更新