研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

温湯消毒と酸性電解水を用いたイネ褐条病及びもみ枯細菌病の防除

堀 武志1・石川浩司1・原澤良栄2・佐々木行雄11新潟農総研作物研・2新潟県経営普及課)

環境に与える負荷の少ないイネ種子消毒方法として注目されている温湯消毒は,各種種子伝染性病害に対する防除効果が認められている。しかし,処理条件によっては効果が不安定な場合があり,さらには褐条病に対する効果が低い。この欠点を補うことを目的に,温湯消毒と酸性電解水処理の組み合わせによる褐条病及びもみ枯細菌病防除効果を検討した。小規模試験では,浸種・催芽に酸性電解水(pH5.5前後、有効塩素濃度 約200ppm,ダイキン環境研究所提供)を用いることで,両病害の防除効果が認められ,酸性電解水を頻繁に交換することで防除効果が高まる傾向が認められた。また,60°C15分間の種子温湯消毒と酸性電解水処理を組み合わせた場合の防除価は99以上で,種子消毒剤処理とほぼ同等であった。実用規模での防除効果を確認するために,酸性電解水生成機を組み込んだ浸種・催芽装置を用いて,種子40kgの温湯消毒と酸性電解水浸種・催芽を行ったところ,種子消毒剤処理とほぼ同等の防除効果が認められた。しかし,少発生条件下での試験であったため,今後は多発条件下での検討が必要である。

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2009.1.8更新