研究会(研究発表会)

第56回(富山)

講演要旨

牧草地におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長

池田利昭・塩谷佳和・青山政義・林 征三(富山防除所)

栽培条件が異なった牧草地(イタリアンライグラス作付け,秋耕区,春耕区,連作区)でのアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長を調査した。前年の11月に耕起播種した秋耕区では,越冬世代及び第一世代の頭数は連作区と比較して少なく推移したが,第二世代頭数は7月下旬の出穂時期と重なったため急激に増加した。4月上旬に耕起播種した春耕区では,秋耕区と同様な発生経過であった。耕起せず連作した区では,他の2区より越冬世代及び第一世代の頭数は多かったが,第二世代の頭数は刈り取りと重なり,第一世代よりも少なく推移した。8月中旬以降は第二世代ピーク時に比べ各区とも頭数は少なく推移し,11月末まで成虫が確認された。牧草畑での,秋耕または春耕は越冬及び第一世代の密度を低下させる効果があると推察されるものの,第二世代を一定レベルまで低下させることは困難と考えられた。秋耕または春耕をふまえた牧草栽培では,2回目刈り取り後,第二世代が増加し始める7月中旬の防除対策が必要である。

第56回(富山)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2009.1.13更新