研究会(研究発表会)

第56回(富山)

講演要旨

コシヒカリBL混植圃場におけるイネいもち病菌株OS99-G-7aの追跡

平八重一之・園田亮一・森脇丈治・野口雅子(北陸研究セ)

イネいもち病菌株を識別可能なDNAマーカーは,特に病原性の幅の狭い菌株おいては,病原性変異を含むいもち病菌の動態解明に有効である。そこでまず,PJF2とPJR1をプライマーセットとするPCR法によって,レース007.0のOS99-G-7a株で増幅される約2,500bpの断片が菌株特異的であることを確認した。つぎに,コシヒカリ新潟BL1号(Pia),2号(Pii),3号(Pita-2),4号(Piz)が1:2:5:2の混植圃場全体にOS99-G-7aで罹病させた幼苗を6月中,下旬に植え込み,7月下旬の幼苗曝露法(007に抵抗性の7品種)および9月上旬の穂いもち病斑から得た分離菌株について特異的マーカーの有無を調査した。その結果,幼苗暴露で分離された5つのレース(007.2,047.2,107.0,307.0,407.0)でOS99-G-7a特異的マーカーが検出された。また,調査した穂いもち分離菌株のレースは全て007.0であり,分離菌株は接種菌株に由来すると考えられた。一方,試験地周辺(3km四方)の穂いもち分離菌株ではマーカーは検出されなかった。 以上から,上記5つのレース菌株は接種菌株が圃場で変異した可能性が高いこと,本事例では変異菌の殆どは定着しなかったことが推察された。

第56回(富山)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2009.1.13更新