研究会(研究発表会)

第56回(富山)

講演要旨

最近新たに発生したキュウリうどんこ病菌Reticuloidium亜属とPseudoidium亜属菌の富山県における発生実態

山本 恵・佐藤幸生(富山県立大短大部)

本邦ではキュウリうどんこ病菌として,Sphaerotheca cucurbitae (SF菌)の他に,最近OidiumPseudoiudium亜属菌(OP菌;佐藤ら,1997)と同属Reticuloidium亜属菌(OR菌;内田ら,2002)の2種類が報告された。これら3菌は分生子世代の形態的特徴で容易に区別できる。ところで,後2菌の発生実態はほとんど知られていない。2003年5月中旬から9月にかけて富山県内34カ所で,キュウリ上の菌種を調査した。その結果,SF,OP,ORの各菌はそれぞれ31カ所,3カ所,19カ所で発生を認め,SF菌の他にOR菌が県下全域に発生していることが明らかとなった。なお,SFとOR両菌の発生は15カ所,SFとOP両菌およびORとOP両菌の発生は3カ所で,SF,OR,OP3菌の発生は3カ所で認められた。SF菌とOR菌は単独でも発生した。また,1枚の葉上で必ずしも菌叢が重なり合うことはないので,調査には数カ所の菌叢を観察する必要があることを示している。今後,とくにOR菌の由来や生活史の解明が緊急の課題と考えられる。

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2009.1.13更新