研究会(研究発表会)

第56回(富山)

講演要旨

有機酸によるイネ育苗期細菌性病害の防除

梅沢順子・向畠博行(富山農技セ農試)

各種有機酸を用いて育苗期細菌性病害に対する防除効果について試験した。催芽液がpH3〜4になるように有機酸を添加し,32°Cで24hr,125rpmで振とう催芽しては種したところ,褐条病に対して酢酸とレブリン酸では防除価が90以上の高い防除効果が認められた。この防除効果は浸種前48hr浸漬と催芽前72hr浸漬処理では認められず,振とう催芽時に処理した場合にのみ認められた。同様に,もみ枯細菌病と苗立枯細菌病に対して振とう催芽時処理を試みたところ,もみ枯細菌病には酢酸及びレブリン酸処理で防除価80程度の効果が認められたが,苗立枯細菌病に対して発病抑制は認められなかった。次に,モミゲンキ水和剤の浸種前処理と酢酸またはレブリン酸の振とう催芽時処理を併用した場合について試験したところ,併用による防除効果低下や,イネ苗の生育に対する影響は認められなかった。今後は効果の高い有機酸の防除効果の作用機作やその安定性,農薬との混用処理などの効果への影響についてさらに検討することとしている。

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2009.1.13更新