研究会(研究発表会)

第57回(石川)

講演要旨

福井県のオオムギから分離された赤かび病菌のデオキシニバレノール産生能

本多範行(福井農試)

2002年に福井県内38か所のオオムギ発病穂から分離された赤かび病菌は全てFusarium graminearumであった。F.avenaceumF.culmorumMicrodocum nivaleは分離されなかった。2002〜2003年に発病穂あるいは葉から分離したFusarium菌25菌株について,デオキシニバレノール(DON)の産生能を調査した。各菌株を培養した米培地においてF. graminearumと同定した19菌株のうち,10菌株でDONが検出された。F. avenaceumと同定した4菌株とその他の2菌株は検出限界(1ppm)以下であった。また,圃場試験においてこれらの菌株の病原性を確認した。DONを産生するF. graminearumと「ファイバースノウ」を用いて,開花盛期(出穂7日後)に胞子懸濁液を噴霧接種した圃場で,薬剤散布による防除効果を調査した。その結果,チオファネートメチル剤を接種2日前,または接種3日後に散布すると高い赤かび病発病抑制効果が認められ,DON濃度を減少させた。

第57回(石川)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2008.2.14更新