研究会(研究発表会)

第57回(石川)

講演要旨

ジャガイモの防御機構:ジャガイモ活性酸素生成NADPHオキシダーゼの疫病菌制御因子による制御機構

古市尚高1・横川和俊2・加藤美紀2(1新潟大超域研・2新潟大院自然)

ジャガイモ疫病菌に対する抵抗性エニワ(R1)cDNAよりNADPHオキシダーゼホモログEnrboh1をクローニングし塩基配列を決定した(日植報14年)。またジャガイモ抵抗性と罹病性品種間におけるrboh1の転写活性を検討するため,罹病性cv.メークイン(r)cDNAよりNADPHオキシダーゼホモログMqrboh1をクローニングした。その結果, 全アミノ酸配列はEnrboh1と高い相同性を示した。また疫病菌エリシターとHR抑制因子サプレッサーを処理したジャガイモ葉より抽出した全RNAを鋳型として品種間におけるrboh1転写活性をRT-PCR法にて比較した。Enrboh1はCDPKキナーゼの発現への影響をみるとエリシター処理後6時間で転写活性の増加が見られ,サプレッサー処理により抑制された。Mqrboh1の転写はエニワよりも低レベルで誘導された。エリシターにより誘導されるrboh1の転写活性は抵抗性-罹病性品種間で差異があり過敏感反応シグナル伝達機構に関与すると結論した。

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2008.2.14更新