研究会(研究発表会)

第57回(石川)

講演要旨

イネ苗立枯細菌病やもみ枯細菌病は汚染種子だけに由来するのか

安達直人(石川農総研セ)

イネ苗立枯細菌病およびもみ枯細菌病の,種子以外の伝染源について検討した。平成16年度に石川県内で発生した苗立枯細菌病のうち,苗の由来や育苗管理状況等から,育苗時の灌水による汚染が疑われるものがあった。そこで付近の用水等をMF-増菌-PCR法により調査したところ病原細菌が検出された。しかし,この用水を毎日の灌水に用いてイネを育苗しても苗立枯細菌病は再現されず,灌水による汚染については疑問が残った。次に,もみ枯細菌病菌の育苗箱での残存について検討した。底の形状の異なる2種の育苗箱(平底・ダイヤカット)に菌液を吹き付け,自然乾燥後に3種の用具(台所用スポンジ・タワシ・洗車ブラシ)で洗浄した。裁断した育苗箱片を液体培地中に浸漬し,増菌-PCRを行うと,育苗箱底部の形状,洗浄用具に関わらず病原細菌が検出された。また,洗浄後の育苗箱を次亜塩素酸カルシウム溶液に浸漬することで,病原細菌は検出されなくなった。今後は,育苗箱に付着した病原細菌による発病の可能性について検討したい。

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2008.2.13更新