研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

Olpidium 菌のチューリップ条斑ウイルス(TuSV)およびチューリップ微斑モザイクウイルス(TMMMV)媒介能と植物寄生性

守川俊幸1・堀井香織1・望月知史2・大木健広2・津田新哉2・向井 環31富山農技セ野菜花き試・2中央農研・3現:砺波農普セ)

TuSVおよびTMMMVはOlpidium virulentus (= O. brassicae 非アブラナ科系)によって媒介されるが,菌株間の媒介能や植物寄生性の差異は十分に明らかになっていない。そこで,O. virulantus 25菌株とO. brassicae 2菌株を用いて,ウイルス媒介能を調査した結果,O. virulantusの全分離株がTuSVとTMMMVの両ウイルスを媒介することが確認された。一方,O. brassicae の2菌株は何れもチューリップに寄生せず,媒介試験が成立しなかった。次に,O. virulantus 27菌株の8科18種の植物に対する寄生性を調査した結果, O. virulantusの全ての分離株が,マクワウリ,ネギ,オクラ,ササゲ,インゲン,ナスなどで良好に増殖したが,レタス,タバコ,トマトなどでは,寄生する株としない株に分かれた。いずれもキャベツでの増殖は僅かか皆無であった。寄主範囲の特徴から明確なグループ分けは困難で,検定する植物種を増やすほど多様性に富むものと推察された。なお,O. brassicaeの2菌株は供試植物のうちキャベツのみで良好に増殖した。

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2008.2.25更新