研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

2005,2006年の新潟県下越地域におけるイネごま葉枯病の多発生

山口吉博1・中野潔1・齋藤麗子21新潟防除所・2新発田農普セ)

新潟県下越地域では2005,2006年と2年連続してイネごま葉枯病が多発した。古くはしばしば局多発生したが,1993年以降は9月上旬に極僅かに発生する程度で少発生が続いた。2003年以降,徐々に発生が増加し,2005,2006年は発生地点,発生量ともに急増した。2006年は8月上旬に初確認してから葉発病が直線的に増加し,9月上旬に発生地点率50%,平均発病株率26.9%(0〜100%),平均葉発病度11.5(0〜57)となった。多発ほ場では成熟期に止葉まで枯れ上がり,穂枯れが発生した。止葉の病斑数と穂枯れの発生には有意な正の相関が認められた。少発ほ場に比べ登熟がやや劣り,玄米粒厚は全般に薄くなった。このような近年の多発生は,登熟期の高温,穂肥量の減少等による生育後期の栄養凋落や2005年のコシヒカリBL一斉導入を契機とした殺菌剤使用量の大幅な減少等に起因していると考えられた。また,本病の発生には地域的な偏りがみられ,北蒲原地区の低地力地帯で広域的に多発した。2005年と2006年のほ場毎の発生量には極めて高い正の相関が認められ,本病がほ場毎の発病環境要因に影響されると推察された。

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2008.2.25更新