研究会(研究発表会)

第59回(新潟)

講演要旨

穂いもちの新接種法の開発とその感染過程のGFP遺伝子導入いもち病菌を用いた顕微鏡観察

古賀博則1・吉本玲子1・塚本昇市2・土肥浩二3・森 正之1,3・芦澤武人4・有江 力51石川県立大学・2石川農総研セ・3JST/CREST・4北陸研究セ・5東京農工大)

穂いもちの接種にはこれまで噴霧接種やCMC接種法が行われているが,いずれも湿室に保持する施設が必要であり,野外でこれらの方法で接種すると気象条件によって発病結果が大きく変動するという問題がある。そこで,湿室でなくても高率に安定的に穂いもちを発生させる目的で,新接種法の開発を目指した。新たに試みたのは,紙ひも(直径3mm,長さ5mm)をいもち病菌の胞子懸濁液に浸し,ひもに多量の胞子を付着させ,セロファンテープで紙ひもと穂の各部位を包んで乾燥しないようにする方法である。この方法により,高率にかつ安定的に穂いもちを発生させることが可能であった。この接種法での感染過程を解明するために,GFP遺伝子導入いもち病菌(稲86-137GFP-3,芦澤ら,2005)を接種して顕微鏡観察を行った。その結果,接種菌の付着器,菌糸および胞子を明瞭に観察でき,現在,侵入過程について詳細に検討中である。

第59回(新潟)講演要旨タイトルに戻る

Copyright © 2007 The Association for Plant Protection of Hokuriku. All Rights Reserved.
2008.2.25更新