研究会(研究発表会)
第59回(新潟)
講演要旨
アカヒゲホソミドリカスミカメおよびアカスジカスミカメのイネ科植物に対する産卵
長澤淳彦・樋口博也(北陸研究セ)
アカヒゲホソミドリカスミカメおよびアカスジカスミカメの2種のカスミカメムシは斑点米カメムシの中でも特に重要な種として注目されている。両種はイネ科植物を寄主とすることが知られているが,その産卵植物については不明の点が多い。そこで,野外からイネ科植物を採集し,孵化する幼虫を確認することで産卵状況を調べた。その結果,スズメノカタビラ,イヌビエ,メヒシバ等多くの植物において産卵が行われたことが確認され,ほとんどが穂に対する産卵であった。また,室内で非選択条件での産卵試験を行った結果,アカヒゲホソミドリカスミカメでは葉鞘および穂に対して産卵が行われたが,アカスジカスミカメでは,ほぼ穂だけに産卵が行われたと考えられた。植物間での孵化幼虫数を比較すると,アカヒゲホソミドリカスミカメではどの植物からもある程度の幼虫が孵化したのに対して,アカスジカスミカメでは,植物間での差が大きかった。