研究会(研究発表会)

第61回(石川)

講演要旨

アカヒゲホソミドリカスミカメ成虫の水田における移動分散

高橋明彦・樋口博也(北陸研究セ)

出穂期の水田におけるアカヒゲホソミドリカスミカメ成虫の移出入実態を明らかにすることと目的として,標識再捕試験を行った。試験は水田に設置した10×10mの調査区において行い,成虫の捕獲と放飼を2日間隔で繰り返し,5回連続放飼のデータを得た。得られたデータに基づきJolley-Seber法により,生残率,総個体数,加入個体数の推定を行った。出穂後5日から9日にかけて総個体数は,雄はほぼ一定であり,雌では明確な増加傾向が認められたが,雌雄ともに出穂後11日には顕著に減少した。加入個体数は,出穂後5〜9日には雌雄とも約250〜400頭であったが,出穂9〜11日後には減少し,特に雌はほぼ0頭となった。生残率は,雄は出穂後5〜7日にかけて,雌は出穂後5〜9日にかけて高まり,その後雌雄ともに低下した。これらのことから,出穂後5日から9日にかけては,比較的高い生残率と新たに水田に侵入する個体によって水田内個体数は増加あるいは維持されるが,出穂後10日以降は,移出ないし死亡する個体の増加と侵入個体の減少によって,個体数が急激に減少すると考えられた。また,雌雄の推定個体数には出穂5日後を除いて顕著な違いは認められず,水稲の登熟初期における成虫生息数には大きな性差はないと考えられた。

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2009.12.29更新