研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

降雨処理が褐色米の発生および薬剤の防除効果に及ぼす影響

本多範行1・古賀博則21福井農試・2石川県立大)

褐色米の病原菌であるAlternaria alternataCurvularia lunataは出穂10日頃まで高率に感染し、接種後の温風処理は褐色米の発生を助長することを報告した(平成21年度関西部会)。今回は降雨処理が褐色米の発生および薬剤の防除効果に及ぼす影響について報告する。ポット栽培で出穂直後のイネ品種コシヒカリにA. alternataを接種し、翌日に降雨(5mm/hr、8時間)処理すると、褐変籾と褐色米の発生率は無処理に比べ低くなり、着色程度の高い重症米の発生も少なくなった。しかし、出穂直後にA. alternataあるいはC. lunata接種し、10日後、20日後、30日後に降雨(5mm/h、8時間)処理すると両菌の接種区ともに褐色米の発生率が高く、重症米の発生も多くなる傾向にあった。その傾向はC. lunata接種区で顕著であった。次に、ポット栽培イネにフェリムゾン・フサライド粉剤を散布後に降雨処理(25mm)を行い、C. lunataを接種すると、降雨処理区では無処理に比べ褐色米の発生率は低くなる傾向にあった。以上のことから出穂直後の降雨は褐色米の発生を抑制し、登熟期の降雨は褐色米の発生を助長すると考えられた。

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2011.1.21更新