研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

佐渡市におけるクモヘリカメムシの発生状況

永瀬 淳(新潟防除所)

新潟県佐渡市において、近年クモヘリカメムシの確認事例が増えていることから、市内の分布と水田内の発生経過を調査した。2008、2009年の10月(イネ収穫期後)に雑草地(水田隣接の畦畔・農道等) 47地点ですくい取り調査(捕虫網20回振り)を行った。本種の確認地点率は、2008年:19%、2009年:13%で、両年とも市内南西部の海岸に近い場所で確認されることが多かった。2009年に水田4地点(一般栽培ほ場、品種:コシヒカリBL)で、水田内畦畔際に6月下旬からフェロモントラップ(富士フレーバー(株)製)を設置して発生消長を調査した。トラップには、6月下旬〜7月上旬と8月上旬〜9月上旬に、まとまった数の成虫が捕獲された。調査水田内外のすくい取り結果から、1回目の捕獲は越冬世代虫で、2回目の捕獲は越冬世代虫と第1世代虫が関与していると推察された。また、トラップ調査した4地点中1地点で、出穂期後の水田内増殖と斑点米被害が認められた。被害ほ場は、周辺雑草上の発生密度が高い上、水田内雑草が多発生し、本種が寄生・定着し易い条件であったと考えられた。

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2011.1.21更新