研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

種子のいもち病保菌抑制における薬剤効果および残効

岩田大介・石川浩司・黒田智久(新潟農総研作物研)

健全種子生産のため,薬剤散布による穂いもち防除および種子保菌抑制の効果を検討した。まず,フェリムゾン・フサライド水和剤(以下F・F)を穂揃期散布した水稲に,散布5から20日後まで5日間隔でいもち病菌を接種し,穂いもち発病度,胞子形成籾率を調査した.F・F穂揃期散布は無散布に比べ,散布20日後接種でも胞子形成籾が少なく保菌抑制効果の持続性が認められた。次に,液剤と粒剤の効果の違いを明らかにするため,いもち病伝染源を設置したほ場にF・Fの出穂期直前散布,穂揃期散布,出穂期直前+穂揃期散布,ピロキロン粒剤の幼穂形成期施用(以下P施用),P施用+F・F穂揃期散布および無処理の試験区を設け,葉いもち・穂いもち発病度,胞子形成籾率を調査した。胞子形成籾率は,F・Fを穂揃期に散布した試験区で低く,種子保菌抑制には穂揃期散布が必要と考えられた。一方,穂いもち発病度は,F・Fを出穂直前に散布した区またはP施用区で低かった。これらのことから,採種ほ場において,穂いもち抑制と保菌抑制をねらうには,粉・液剤の出穂期直前散布か,穂いもち防除粒剤の施用に粉・液剤の穂揃期散布を組み合わせることが重要と考えられた。

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2011.1.21更新