研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

ウコンノメイガ幼虫の加害を模した葉巻がダイズ子実の品質、収量に与える影響

樋口博也(北陸研究セ)

ウコンノメイガは、幼虫がダイズ葉を巻きながら食害する害虫である。したがって、ハスモンヨトウのように葉を直接食害する食葉性害虫とは異なり、大きく葉面積を減少させる訳ではない。そこで、ウコンノメイガ幼虫による葉巻は、ダイズの品質、収量にどのような影響があるのかを明らかにするため、人為的に幼虫の加害を模した葉巻を作り、人工葉巻の量が、ダイズの品質、収量に与える影響を調査した。ダイズ本葉は3枚の小葉からなっている。そこで、ダイズ圃場において連続した12株について、株の全本葉について小葉1枚を人為的に巻いたものを1/3葉巻区、2枚を巻いたものを2/3葉巻区、3枚を巻いたものを3/3葉巻区とし、別に葉を巻かない対照区を設けた。ダイズ品種はエンレイで、葉を巻く作業はダイズの生育段階が莢伸長期である8月11〜13日に行った。マメシンクイガの子実に対する加害が激しかったため、被害解析調査は、粒径5.5mm以上の子実で、奇形・異常粒、病害虫による被害粒を除いた健全粒100粒重について行った。対照区の健全粒100粒重と比べ、人為的に葉巻を作った葉巻区では100粒重が軽くなり、特に3/3葉巻区でその傾向が顕著であった。したがって、葉が巻かれることにより、ダイズ子実の小粒化が起こることが明らかとなった。

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2011.1.21更新