研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

福井県におけるタバココナジラミバイオタイプQの発生状況

萩原駿介・高岡誠一・水澤靖弥・小林雄治(福井農試)

2008年6月にトマト黄化葉巻病、9月にタバココナジラミバイオタイプQ(以下バイオタイプQ)の福井県内への侵入が確認されたため、県内での発生状況ならびにタバココナジラミ成虫の薬剤感受性を調査した。トマト黄化葉巻病は2008年9月上旬に家庭菜園15地点、11月上旬に施設栽培17地点で発生を確認した。バイオタイプQは侵入を確認後さらに1地点で発生を確認し、被害は拡大した。熊本法(樋口、2004)を用いた薬剤感受性検定ではバイオタイプQ成虫についてニテンピラム、ジノテフラン、ピリダベン、ピメトロジンは感受性が高く、エトフェンプロックス、ペルメトリンは感受性が低かった。2009年は3月の定植期から有効な粒剤、散布剤による防除を実施した。2009年の調査では、トマト黄化葉巻病は7月上旬に周年栽培施設で初発を確認した。8月上旬に家庭菜園3地点、11月に施設栽培7地点で発生を確認したが、前年に比べて被害は少なかった。バイオタイプQは15地点調査し、2008年に発生が確認された周年栽培施設で引き続き発生が確認されたものの、その他地域で発生が確認されたのは2地点のみであった。以上のように県内では粒剤と散布剤によりトマト黄化葉巻病、バイオタイプQの急激な発生地の拡大が抑制されたと考えられる。

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2011.1.21更新