研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

ダイズの黒斑粒等の品質被害防止のためのフタスジヒメハムシの防除適期

片山雅雄・吉島利則(富山農総セ農研)

フタスジヒメハムシ幼虫によるダイズ根粒加害は、種子塗沫や播溝散布等の新たな薬剤処理法により効果的防除が可能となったが、成虫の莢食害により生ずる黒斑粒等の品質被害は少発生でも等級格下げの原因となるため、依然として重要な課題である。そこで茎葉散布薬剤のクロチアニジン粉剤DLの防除効果の持続性と散布時期別の品質被害の防止効果について検討した。防除効果の持続性は、薬剤処理ダイズへ放飼24時間後に生死を確認したところ98.4%の高い死虫率となったが、薬剤処理7日後放飼では18.2%と低くなった。散布時期別の品質被害の防止効果は、現行の第2世代成虫発生初期散布区(慣行区)、その7、14日後にそれぞれ散布した7日区、14日区、慣行区に加え14日後にエトフェンプロックス粉剤DLを散布した体系区について比較した。黒斑粒の発生は7日区、慣行区、体系区の順に少なく、14日区は無処理と同程度に発生が多かった。なお腐敗粒等の発生に差は認められなかった。また、時期別の払落し虫数と黒斑粒率の相関係数を求めたところ、第2世代成虫発生初期後8〜15日の相関が高かった。以上の結果から、クロチアニジン粉剤DLを用いた黒斑粒の発生防止を目的とした散布適期は、第2世代成虫発生初期の7日後であり、防除時期の遅れは薬剤効果を下げると考えられた。

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2011.1.21更新