研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

ホウレンソウケナガコナダニの総合的防除の指標

高岡誠一(福井農試)

ホウレンソウの施設周年栽培において、ホウレンソウケナガコナダニ(以下コナダニ)の加害は品質・収量に大きな影響を与える。しかし、コナダニに使用できる防除薬剤は少なく、防除が困難であるため、耕種的防除を組み合わせた総合的防除について検討した。耕種的防除として、未熟な堆肥の施用は完熟したものに比べて、土壌中のコナダニの生息密度を増加させる。品種では、発芽揃いが良く、草姿が立性の品種は、コナダニの被害を受けにくい。土壌水分管理では、収穫7日前まで土壌表面が湿る程度の少量灌水を続けることによって、コナダニの土壌からホウレンソウ株への移動を抑制し、被害の発生を減らすことができる。また、化学的防除では、DDVP乳剤1000倍液に、機能性展着剤であるポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル50.0%を添加すると、土壌への薬剤の浸透性が高くなり、防除効果が向上する。これらの化学的防除、耕種的防除を組み合わせた総合的防除によって、防除効果が高くなり、化学農薬の使用量の削減が可能である。

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2011.1.21更新