研究会(研究発表会)

第62回(福井)

講演要旨

フルアジナム剤によるチューリップ微斑モザイク病および条斑病の防除

森脇丈治1・守川俊幸2・桃井千巳11富山農総セ園研・2富山農総セ農研)

フルアジナム粉剤は媒介菌の感染を抑制することにより微斑モザイク病と条斑病に効果のある唯一の農薬であるが、広い面積には専用の散布機器を必要とし、普及を妨げていた。そこで、ブームスプレーヤで水溶液として散布が可能な水和剤について、その防除効果を明らかにし、適用範囲を広げるために試験を行った。自然発病する現地水田転換畑で、水和剤600gまたは1kgを10aあたり100Lの水に溶解して地表面に散布し、土壌混和したのち球根(品種Lucky Strike)を植え付けた。対照として粉剤40kg/10a処理区と無処理区を設けた。両ウイルスの感染率を開花期に花茎のTBIA法により調査し、防除価(微斑モザイク病、条斑病)を求めた。2007年(10月23日植付け)は慣行の粉剤区が(52.8、44.0)で、水和剤600g区(69.1、53.0)、水和剤1kg区(66.4、61.4)であった。2008年(10月16日植付け)は粉剤区が(90.4、76.7)で、水和剤600g区(80.8、90.7)、水和剤1kg区(89.0、90.7)であった。いずれの区も薬害は生じなかった。以上のように水和剤の土壌混和処理は両病害に対して慣行の粉剤と同等の防除効果が認められ、防除薬剤として有望であった。2008年は3品種(Bastogne、Mistress、Rose Beauty)で倍量薬害試験(2kg/10a)を行ったが、薬害は認められなかった。

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2011.1.21更新