研究会(研究発表会)

第63回(新潟)

講演要旨

エゴツルクビオトシブミ揺籃中の窒素固定細菌の探索

田中栄爾・高橋佑輔・上田哲行(石川県立大)

エゴツルクビオトシブミは,エゴノキの一枚の葉を摂取して成虫まで生育する。これまで解析した結果,羽化成虫を構成する窒素成分はエサ植物体由来だけではないことが示唆された。そのため,揺籃中の幼虫は窒素固定細菌を利用しているという仮説が考えられた。そこで,窒素非含有培地を用いて,オトシブミ幼虫の糞から窒素固定細菌の分離培養を試みたが,継代培養できる微生物は得られなかった。次に,窒素固定に関連するニトロゲナーゼ遺伝子nifHを標的として,揺籃中の窒素固定細菌の探索をおこなった。材料として,オトシブミ揺籃をほどいて,個々の卵,幼虫,揺籃の葉からそれぞれ抽出した全DNAを用いた。これらのDNAを供試して,既知のnifH遺伝子配列から作製したディジェネレートプライマーを用いたnested PCR反応をおこなった。増幅したPCR産物のうち,予想される360 bp前後の産物をサブクローニングして塩基配列を解読した。解読した塩基配列をデータベース検索したところ,卵と幼虫から5種類のnifH遺伝子が検出された。また,葉からnifH遺伝子は検出されなかった。この結果から,卵や幼虫に窒素固定細菌が存在する可能性が示唆された。

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2011.1.21更新