研究会(研究発表会)

第63回(新潟)

講演要旨

植物,糸状菌および昆虫の走査電顕観察のためのイオン液体を用いた迅速な試料作製法の開発

熊橋彩香1・栗原孝行2・高原浩之1・根本典子3・宮澤七郎3・桑畑 進4・古賀博則11石川県立大・2金沢医科大・3北里大医・4大阪大工)

従来の走査電顕の生物試料作製法では,固定,脱水,乾燥,金属蒸着を行うため,多大な時間を必要とする。しかし,イオン液体を用いることによって,試料作製に要する時間を短縮できる可能性がある。イオン液体は,真空下での蒸散を防ぎ,難燃性で帯電しない性質を持っている。すなわち,イオン液体に浸すと水分を含む試料でも電顕で観察できるようになる。本研究では,イオン液体の種類や濃度などの処理法を検討することにより,植物,糸状菌および昆虫の微細構造が最も良く見える条件を明らかにすることを目的とした。イネ葉身表面を親水性,疎水性のイオン液体処理後に電顕観察した結果,親水性のイオン液体の方が疎水性のものより明瞭な電顕像を得ることができた。イオン液体水溶液濃度については,20%で一番明瞭に観察することができた。昆虫やダニでは浸漬法で明瞭な電顕像が得られたが,メロンうどんこ病菌ではイオン液体のスプレー法が効果的であった。以上のことから,イオン液体が植物,糸状菌および昆虫の迅速な試料作製法として利用できることが示された。

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2011.1.21更新