研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

圃場中のイネ体からの稲こうじ病菌DNAの検出

鈴木恵理・太田雄輔・田中栄爾(石川県立大)

 稲こうじ病菌により引き起こされる稲こうじ病は、イネ籾に病粒を形成する病害である。これまで、穂ばらみ期以前に感染していると推定されているものの、感染時期や感染経路は不明である。そのため、有効な防除方法は確立されていない。そこで、本研究では圃場に移植後から定期的にイネを採取し、イネ内の本菌DNAの有無を調べることにより、感染時期を推定することを目的とした。2009年に稲こうじ病が発生した圃場を試験圃場とし、石川県金沢市の2圃場、新潟県魚沼市および広島県安芸高田市の各1圃場の計4圃場を調査した。2010年と2011年に、各圃場から移植後(5月初旬)から出穂前(7月下旬)のイネを2週間に1度、3株ずつ採取し、供試した。稲こうじ病菌の有無を調べるため、採取したイネの根部と生長点組織から全DNAを抽出し、既住の研究(芦澤ら,2005)に基づき、稲こうじ病菌の種特異的プライマーを用いたNested-PCR法をおこなった。その結果、菌体DNAは移植直後から出穂前まで約10〜60%の根と生長点組織の両方から検出された。これより、稲こうじ病菌はイネ体内部に迅速に侵入し、生長点組織に長期滞在していると考えられた。

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2013.9.20更新