研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

In situ hybridization法によるイネ植物体中の稲こうじ病菌の種特異的識別

中西瑛穂・熊川剛・田中栄爾(石川県立大)

 稲こうじ病菌の侵入感染過程を解明するためにはイネ植物体に生育する稲こうじ病菌を識別する必要がある。そこで、本研究では稲こうじ病菌の18S rRNA領域の種特異的塩基配列を標的としたオリゴヌクレオチドプローブを用いて、In situ hybridization法によってイネ植物体中の稲こうじ病菌を種特異的に染色して識別することを試みた。稲こうじ病菌が土壌感染によって根から侵入するという仮説をもとに、実験室で稲こうじ病菌の厚膜胞子を混入した石英砂で生育させたイネ幼芽と、圃場で採集したイネを用いて、根の先端1cm部分と生長点組織を切り出し、パラフィン切片を作成し、In situ hybridization法をおこなった。ジゴキシゲニンで標識しているプローブを免疫染色で発色させたところ、人工接種したイネ幼芽の根部組織から、稲こうじ病菌の菌糸を識別することができた。すなわち、本法は感染過程を調べるために有効な方法であることを示した。また、この結果から土壌中の厚膜胞子が感染源となり、稲こうじ病菌がイネの根に侵入していることが示唆された。今後、本法を用いて圃場のイネから菌体を検出し、感染過程を追っていく必要がある。

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2013.9.20更新