研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

アメダスデータを活用したスイカ炭疽病の発生予察法の検討

濱田亜矢子・安達直人(石川農研)

スイカ炭疽病菌の感染には、気温と葉の濡れ時間が大きく影響する。本試験では、Monroeら(1997)が報告したこれら2要因と感染確率のモデルを利用して、気象データを活用したスイカ炭疽病感染好適日の推定を試みた。場内圃場に気象観測装置(クロップナビ)を設置して気温を計測し、センサーの結露時間から葉濡れ時間を推定した。モデル上で25%以上の確率で発病が予測された日を感染好適日に設定したところ、発病が確認されたいずれの日でも6〜8日前に感染好適日が出現していた。さらに、特別な気象観測装置を必要としない簡便な方法として、イネいもち病発生予察システムBLASTAMの濡れ時間推定方法に準じてアメダスデータから葉濡れ時間を推定し、感染好適日をシミュレーションした結果、先とほぼ同様に発病株の96%で6〜8日前に感染好適日が出現していた。また、2011年6月の石川県かほく市のアメダスデータから近隣圃場の感染好適日をシミュレーションしたところ、本病の発生が認められた6圃場はいずれも、発病を確認した日の6〜8日前に感染好適日が出現していた。以上のことから、アメダスデータをもとにスイカ炭疽病の感染日を予測することが可能であることが示唆された。

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2013.9.20更新