研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

クモヘリカメムシの優占圃場における防除適期の検討

藪哲男・宮下奈緒(石川農研)

クモヘリカメムシ(以下クモヘリ)は東北以南の太平洋側から西日本における主要な斑点米カメムシで、近年、石川県でも分布が拡大し、一部地域で優占種となっている。本種の防除適期を検討するため、本種の発生割合が高いA地区とほとんど発生していないB地区において、薬剤の散布時期の違いと斑点米の発生を比較した。散布時期は出穂7日後、14日後及び21日後とした。試験を行った地域のカメムシ類は多発生で、防除にはネオニコチノイド系またはフェニルピラゾール系の薬剤を用いた。A地区におけるクモヘリの発生は、ピーク時で20回振り10頭となり、捕獲されたカメムシの42.5%を占めた。以下、トゲシラホシカメムシ(以下トゲシラ)、アカスジカスミカメの順に多かった。一方、B地区は、トゲシラがピーク時で20回振り6頭となり、90%を占めた。斑点米率は地区間で有意に異なり、A地区で無処理区で0.17%、B地区で0.73%となった。一方、時期では、クモヘリ優占のA地区は出穂14日後散布の防除効果が高く、B地区では7日後で高い傾向であった。

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2013.9.20更新