研究会(研究発表会)

第64回(富山)

講演要旨

水稲初中期害虫の発生密度低下地区における「苗箱施薬(殺虫剤)」の中断

西島裕恵1・青山政義1・守川俊幸1・岩田忠康1・吉島利則2・片山雅雄3・三室元気41富山農総技セ・2新川振興セ・3高岡振興セ・4富山県農産食品課)

 富山県の稲作は、長期持続型殺虫剤の苗箱施薬が広く普及し、初中期害虫の密度は極めて低下している。本試験では、このような初中期害虫の発生密度低下地区における苗箱施薬の中断が、水稲害虫の発生状況に及ぼす影響を3年間調査した。調査は平野部の水稲作付地帯で行い、苗箱施薬を中断する圃場(4ha)は3年間固定し、出穂後にカメムシ・ウンカ類等を対象とした本田防除剤を1回散布した。その結果、イネミズゾウムシやイネドロオイムシなどの初期害虫やニカメイチュウなどの中期害虫の急激な密度増加は見られず、3年間の苗箱施薬の中断は可能であった。ただし、本田防除剤はツマグロヨコバイに適用のない剤を用いたため、後期害虫のツマグロヨコバイの密度が増加したことから、苗箱施薬の中断に際しては、ツマグロヨコバイは本田防除での対応が必要であった。以上のことから、水稲初中期害虫の発生密度低下地区においては、3年程度の苗箱施薬(殺虫剤)の中断は可能であるが、定期的に圃場を見回り、中断期間中に害虫の密度増加が認められた場合は個別に随時防除で対応し、初中期害虫の密度増加の兆しがある場合は、次年度以降は苗箱施薬を再開するなどの対応が必要である。

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2013.9.20更新