研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

富山県におけるイネドロオイムシのフィプロニル剤に対する感受性低下個体群の発生

青木由美・村岡裕一(富山農技セ農試)

富山県入善町と魚津市の一部地域でイネドロオイムシが多発した。これらの地域ではいずれも,水稲初期害虫に卓効を示すフィプロニルを含む苗箱施薬剤が普及し,6〜7年間連用されている。そこで,入善町五郎八で採集したイネドロオイムシのフィプロニル剤に対する感受性を局所施用法により検定した。採集した繭から羽化した新成虫を供試し,成虫あたり処理薬量と死亡率(プロビット値)からLD50値を求めたところ,五郎八個体群はフィプロニル剤使用歴のない入善町下上野個体群に比べ約6倍高く,フィプロニル剤に対する感受性の低下が認められた。次に,各種苗箱施薬剤処理したポット植えのイネ(処理47日後)に両地域で採集した若〜老齢幼虫を放飼し,生存虫数および被害葉数を調べた。その結果,イミダクロプリド・スピノサド,ジノテフラン,クロチアニジンを含む苗箱施薬剤の防除効果が高かった。一方,フィプロニル剤処理区の防除効果は両個体群とも低く,無処理区と差がなかった。また,両個体群の感受性の差は認められなかった。

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2009.1.8更新