研究会(研究発表会)
第55回(新潟)
講演要旨
フタスジヒメハムシの粒剤による防除効果と被害実態
村岡裕一・青木由美(富山農技セ農試)
フタスジヒメハムシ(以下フタスジ)の根粒被害回避および防除の省力化をねらった,エチルチオメトン粒剤の播種時全面土壌混和処理および培土時の土壌混和処理は,1世代幼虫に対する効果は見られたが,2世代幼虫に対しては劣った。また,2世代成虫に対しては,ピーク時の頭数が無処理区と比較し約1/2と少なくなり,密度を抑制する効果が認められたが,イソキサチオン粉剤の散布と比較するとその効果は不十分であった。次に,フタスジの発生と被害の関係を検討したところ,成虫数や被害莢が多いと青立ち株の発生がみられた。また,従来から知られる黒斑粒の発生や百粒重の低下にとどまらず,着莢数の減少や,不稔莢の発生による稔実莢数の減少によって収量が低下した。これらの被害は,8月上〜中旬のイソキサチオン粉剤の散布で少なかったことから,2世代成虫による加害が主因と推察される。青立ち株は高密度条件を想定したポットへの放飼試験においても再現することができた。その結果,青立ち株が発生した放飼時期は,本葉1〜2葉展開時,および開花盛期であった。