研究会(研究発表会)
第55回(新潟)
講演要旨
岩手県における水稲初期害虫の隔年防除技術の検討
後藤純子1・大友令史2・飯村茂之3(1岩手農研・2岩手防除所・3岩手農研県北)
岩手県の水稲栽培では,いもちと初期害虫の同時防除をねらいとした殺虫殺菌剤の育苗箱処理剤が普及している。防除対象の害虫はイネミズゾウムシ,イネドロオイムシであるが,近年では両種とも少発生で推移し,収量に影響するほどの被害はほとんどみられない。そこで,前年に初期害虫を一斉防除した現地圃場において初期害虫を対象とした防除を省略し,イネミズゾウムシ,イネドロオイムシの個体密度を3年間にわたって調査した。その結果,無防除当年は両害虫とも極少発生にとどまり,一斉防除した翌年は防除の必要がないことが明らかになった。イネドロオイムシについては,数年間無防除を継続すると株当たり卵塊数が規則的に漸増する傾向が見られ,次年度の防除要否を予測できる可能性が示唆された。