研究会(研究発表会)
第55回(新潟)
講演要旨
ジャガイモ疫病菌エリシター処理時のGFP::RiCDPK1(Ca2+依存型タンパク質キナーゼ)融合タンパク質関与による活性酸素生成の解析
佐治佳子1・大澤道正1・佐藤岳実2・古市尚高1,2(1新潟大農・2新潟大院)
ジャガイモの抵抗性反応のシグナル伝達に関与しているCa2+依存型タンパク質キナーゼ (CDPK)遺伝子 を単離し報告した (奥田等 日植微研報 98年) 。また,CDPKのジャガイモ細胞内での発現及び局在を蛍光顕微鏡で観察を行うため,GFP (緑色蛍光タンパク質) 遺伝子が付加されたsmGFPベクターへCDPK1をクローニングした(北病虫研報02年)。今回,GFP::RiCDPK1にジャガイモ疫病菌エリシター(HWC) を処理した際の活性酸素の測定を行い,過敏感反応のCDPKの関与について検討した。また,活性酸素生成に関与するNADPHオキシダーゼ複合体を形成するp47phox,p67phoxを認識する抗体を処理し活性酸素測定を行った結果,活性酸素生成が抑制されることが判明した。疫病菌エリシターをジャガイモ細胞内で発現させた際のエリシタータンパク質の局在,および結合部位の観察を行うために,smGFPベクターへのエリシター遺伝子のクローニングについても報告する。