研究会（研究発表会）

疫病菌サプレッサーとエリシタ−のCDPKキナーゼとの相互作用およびGFP:CDPK1の局在

古市尚高^1,2・ハッサン²・横川和俊²・齋藤勇太³・金城政孝³（¹新潟大農・²新潟大院・³北大電子研）

先にジャガイモ疫病菌に対するジャガイモの防御反応機構の解明のためRiCDPK1,2キナ−ゼ（植微研報97，98年）とPto遺伝子の融合タンパク質を作成した。本融合タンパク質CDPKキナーゼおよびPtoキナーゼと疫病菌サプレッサー，エリシタ−との結合を検討し，またGFP：：CDPKをレーザー顕微鏡を用い細胞内での局在を検討した。ジャガイモNADPH oxydase（Rboh，日植病報02年)のCa²⁺ 結合ドメインとCDPKキナーゼのEF-hand構造を比較した結果高い相同性を示した。エニワ（R1）のジャガイモ細胞膜よりＦＰＬＣ で精製した画分においてエリシター・シグナル伝達機構に関与するTyrー型PKの存在が抗リン酸化Tyr抗体を用いたELISA法により確認された。以上より，疫病菌からのエリシタ−情報伝達の機構においてジャガイモ細胞膜では，CDPK（Ser/Thr-型）およびTyr 型PKが相互作用因子として働くことを示唆した。