研究会(研究発表会)
第55回(新潟)
講演要旨
アカヒゲホソミドリカスミカメによる斑点米発生 II 自然発生条件における斑点米発生時期
石本万寿広(新潟農総研作物研)
自然発生条件における斑点米の発生時期を明らかにするため,アカヒゲホソミドリカスミカメの発生量が多い殺虫剤無散布水田(品種:わせじまん)から出穂期10日後〜36日後(成熟期)に20株または10株を採取し,斑点米数を調査した。併せて,すくい取り調査,割れ籾発生量調査を行い,本種発生消長,割れ籾発生との関連性を検討した。株当たり斑点米数は,10日後0.2粒,15日後1.7粒,25日後7.8粒,30日後20.5粒,36日後28.9粒で,このうち側部斑点米は,各々0粒,0.7粒,6.8粒,18.6粒,28.2粒であり,斑点米数は日数の経過に伴い増加し,その増加は主として側部斑点米数の増加によった。割れ籾数の増加は,特に出穂期15日以降に顕著で,側部斑点米数の増加時期と一致するとみられた。また,斑点米数が増加する時期は,登熟初期に水田侵入した成虫の次世代虫の発生時期であり,この世代による加害が主体と考えられた。