研究会(研究発表会)
第55回(新潟)
講演要旨
イネの苗いもち発病試験法の改良
園田亮一(北陸研究セ)
苗いもちの発病試験では山形農試の方法が用いられる場合が多いが,育苗中の置き床を十分に湿らせた土にすることでより安定して発病することを明らかにした。通常の育苗箱の1/10の大きさの育苗容器を用い,浸種は15°C3日,催芽は行わず,1箱に籾15gを播種後,無覆土で28℃2日間の出芽を行った。播種後3日間は根上り防止のため育苗容器に蓋をした。出芽後,ビニールハウスの土の置床上で育苗し,苗の上から直接寒冷沙で被覆した。供試した籾のブロッター法による胞子形成籾率は65.0%で,播種18日後の調査で発病苗(枯死苗と第1本葉以下の葉鞘に病斑を形成した苗)率は38.9%であった。上記のような育苗施設がない場合の代替えとして,約0.8m×2m×深さ0.4mの屋外に設置したコンテナに水田土壌を充填し,その表面を置床とする方法を検討したが,同様に十分に発病した。ただし,育苗中に遮光下でも最高気温が40°C以上になった場合および保温しても最低気温が15°C以下になった場合には本法による苗いもちの発生は少なかった。