研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

水田畦畔及び牧草地におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長

高橋明彦・樋口博也(北陸研究セ)

2000〜2002年の3年間にわたり,水田畦畔及び牧草地(イタリアンライグラス)において捕虫網によるすくい取りを行い,アカヒゲホソミドリカスミカメの発生消長を調査した。3年間を通じて,牧草地における越冬世代の発生は,成・幼虫ともに極めて少なかったが,6月中旬から7月上旬に第1世代とみられる成虫の急増が認められた。成虫の増加に先立つ第1世代幼虫の顕著な増加は認められないことから,これら成虫は圃場外からの侵入が主体であると考えられる。第1〜3世代は,幼虫の発育ステージは比較的揃っており,各世代の区分は明瞭であった。第4世代成虫の発生盛期は必ずしも明確ではないが,休眠卵産下の臨界日長等から,本種は新潟県においては年間5世代を経過すると考えられる。水田畦畔には慣行除草区と無除草区を設け,除草が本種の個体群動態に与える影響について検討を行った。無除草区においては,第1世代成虫〜第2世代幼虫期に発生盛期となり,その後生息密度は急激に減少した。これに対して,6月中旬及び7月上旬に除草を行った慣行除草区では,除草2〜3週間後に成・幼虫の発生量が再び増加する傾向が認められた。

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2009.1.8更新