研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

チューリップ微斑モザイク病の葉における病徴と球根収量に及ぼす影響

森井 環・守川俊幸・多賀由美子(富山農技セ野菜花き試)

チューリップ微斑モザイク病は花に淡い退色斑紋または増色型の条線を生じ,生産現場ではこれらの病徴を指標に罹病株の抜取りが行われている。しかし白黄品種における花の病徴は目視による識別が難しく,花の病徴を指標とした抜取りには限度があった。今回,本病汚染ほ場に作付けした主要281品種について病徴を調査したところ,花色を問わず約3割の品種において開花期以降葉に明瞭な病徴が生じることが確認された。この病徴は楕円形の退緑色あるいは赤紫色の斑紋を生じるのが特徴で,発症部を中心に葉の黄化が進行した。また,明瞭な斑紋を示さなくとも株全体が明らかに早く枯れるものもあった。なお,葉の病徴は開花後25日頃から認められ,40日を過ぎると生理的な枯れ上がりとの区別が困難となった。この葉の病徴は白黄色品種における罹病株の抜取りの有力な指標になると考えられた。次に,本病の感染が球根収量に及ぼす影響を調査した結果,‘紅輝’では11〜30%減収し,その程度は植付け球根サイズが小さいほど顕著であった。

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2009.1.8更新