研究会(研究発表会)

第55回(新潟)

講演要旨

チャバネアオカメムシ集合フェロモントラップの発生予察への利用性の検討

中野 潔1・本間敏明2・古俣彦衛3・松澤清二郎41中越防除所・2三古農改セ・3中越農政・4新潟農総研園芸研)

果樹カメムシ類について,チャバネアオカメムシ合成集合フェロモントラップ(以下P.T)を利用した予察の可能性を検討した。トラップはサンケイ化学(株)製でファネル式昆虫誘引器(コガネコール:黄色)を使用した。トラップは1999年から4年間,県内1〜4地域の主にカキ園周辺の空き地に設置して,5〜10月にカメムシ類の誘殺数を調査した。また付近の予察灯の誘殺およびキリ等における寄生消長を調査し比較した。P.Tのチャバネアオカメムシ誘殺数は予察灯に比べ少なく1基あたりでは予察灯の1/4〜1/20であった。また,クサギカメムシも誘殺されたが予察灯の1/50以下であった。一方,P.Tの誘殺消長パターンは予察灯と大きく異なり,5〜6月と10月は予察灯より多いか同等であったが、7月は変動が大きく,8月はきわめて少なかった。P.Tの誘殺数とキリにおける寄生密度との関係は明瞭でなかったが,8月は新成虫出現期と推察された。予察灯では予測困難な春および秋の果実被害の増加は,補完的にP.T調査を行うことによりある程度予測できる可能性があると思われた。

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2009.1.8更新