研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
新潟県におけるイネドロオイムシのフィプロニル低感受性個体群の発生
石本万寿広1・永瀬 淳1,4・西土恒二2・神林 勤2・西澤靖樹3(1新潟農総研作物研・2上越防除所・3佐渡防除所・4現:佐渡農改セ)
2002年に新潟県吉川町,羽茂町,金井町のフィプロニル(0.6%)・プロベナゾール粒剤処理圃場でイネドロオイムシの多発生が確認された。2003年に吉川町4地点と羽茂町の個体群(越冬後成虫)についてフィプロニルに対する感受性検定を行うとともに,吉川町1個体群の越冬後成虫,3齢幼虫を用いてフィプロニル(0.6%)・プロベナゾール粒剤処理したイネへの放飼試験を行った。また,同剤と数種箱施用粒剤の圃場効果試験を行った。吉川町4地点と羽茂町の個体群のフィプロニルに対するLD50は0.0065〜0.0087µg/頭で長岡市個体群(感受性個体群)の0.00093µg/頭に比べ高かった。放飼試験では,吉川町個体群の生存率は長岡市個体群に比べ高かった。吉川町,羽茂町の個体群のフィプロニル感受性は低く,これはフィプロニル(0.6%)・プロベナゾール粒剤の殺虫力が低下するレベルであると考えられた。圃場効果試験では,同剤の防除効果は低く,カルタップ剤,ジノテフラン剤,ベンフラカルブ剤の防除効果は高かった。フィプロニル低感受性個体群に対してこれらの薬剤が有効であると考えられた。