研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
新潟県中越地域におけるアカスジカスミカメの分布と発生消長
中野 潔・小潟慶司・佐藤恵美(中越防除所)
新潟県中越地域で斑点米カメムシの一種アカスジカスミカメが2001年に初確認され増加傾向がみられたため分布と発生消長を調査した。分布は,2002〜2003年の5〜9月に月2回20カ所の畦畔雑草,10月に延78か所のメヒシバにおけるすくい取り調査を実施した。その結果2002年にはすでに信濃川以西で広く分布が確認され,高密度地点も認められた。2003年には分布がさらに拡大したが,信濃川以東ではきわめて低密度であった。発生消長は2003年に予察灯(10wブラックライト)誘殺調査と主に雑草群落におけるすくい取り調査を実施した。その結果アカスジカスミカメは年4回程度発生し,成虫の発生時期は越冬世代が5月第6〜6月第3半旬,第1世代が7月第2〜5半旬,8月以降は世代が交錯し不明瞭であったが第2世代が8月第3〜5半旬ころ,第3世代が9月第2半旬以降であったと推定された。成虫はイネ科植物,特にスズメノカタビラ類(5〜6月),スズメノテッポウ(5〜6月),ヌカボ類(6〜7月),ヒエ類(8〜9月),メヒシバ(7〜10月)等の出穂後に集まる傾向が見られた。