研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
フタスジヒメハムシのダイズ生育初期および中期における防除効果の検討
北島義訓・高岡誠一・富田浩治(福井農試)
フタスジヒメハムシの発生量の増加に伴い,ダイズの品質等に及ぼす影響が大きくなってきている。そこでエチルチオメトン粒剤の播溝処理による,越冬世代,第1世代に対する防除効果について検討した。粒剤播溝処理の防除効果は,第2世代成虫発生最盛期で無処理の約半数に発生を抑制し,収穫時の調査で効果はやや低いが有意に黒斑粒の発生を抑えた。イソキサチオン粉剤2回散布(第2世代成虫発生初期,発生最盛期)との比較では,第2世代成虫の生息密度,黒斑粒率ともにイソキサチオン粉剤区の防除効果より低かった。また,慣行防除下でエチルチオメトン粒剤播溝処理,イソキサチオン粉剤による越冬世代または第1世代成虫の防除を行った結果,越冬世代成虫の防除には効果が劣るものの,粒剤播溝処理および第1世代成虫防除により第2世代成虫の発生を抑え,黒斑粒の発生を有意に抑えた。収量調査を行ったところ,粒剤播溝処理および第1世代成虫防除区で収量の向上が認められた。以上のことから,エチルチオメトン粒剤播溝処理とイソキサチオン粉剤による第1世代成虫防除の効果が高く,初期防除として有効であると思われた。