研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
ダイズ紫斑病に対する新規有効薬剤の散布適期
石川浩司・堀 武志・黒田智久・佐々木行雄(新潟農総研作物研)
大豆紫斑病に対する新規有効薬剤であるアゾキシストロビン20%フロアブル(以下A剤),イミベンコナゾール粉剤(以下I剤)の散布適期について検討した。品種エンレイを用い,薬剤を開花期の7日後から50日後頃まで約7日間隔で1回散布し,防除効果は紫斑粒率により判定した。薬剤散布量は,A剤は2000倍液を180リットル/10a,I剤は4kg/10aとした。A剤について2002,2003年に検討し,防除価90以上となったのは2002年:開花7〜28日後,2003年:21〜35日後であり,2カ年で防除効果の高い時期に差が見られた。この要因は明らかではないが,開花後2002年は高温,2003年は低温で経過したことが影響したと推定された。I剤について2003年に検討し,開花28日後の散布が防除価78.8と最も高かった。両剤とも防除効果の高い時期から散布時期が外れるほど防除効果が低下し,その低下程度は早い散布時期より遅い散布時期で大きかった。年次変動や撒き遅れによる防除効果の低下を考慮し,1回散布による防除適期はA剤で開花20〜30日後,I剤で開花25〜30日後と考えられた。