研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
ウコンノメイガの加害実態とダイズ収量への影響
西土恒二・神林勤(上越防除所)
新潟県上越地方において,2002年に引きつづき,2003年もウコンノメイガがダイズ圃場で多発生した。本種に関する研究例はまだ少ないため,本種の加害によるダイズ収量への影響について詳細な調査を行った。2002年の場合とは異なり,2003年は8月下旬までにほとんど全ての葉を食い尽くされた圃場も見られた。本種による摂食害の増加に伴って,着莢数や子実の粒数は有意に減少した。また,摂食害の増加に伴って,百粒重の減少と小粒(粒径5.5mm以上〜7.3mm未満)の増加も認められ,ウコンノメイガの摂食害が稔実不足を引きおこすことが明らかとなった。子実粒数と子実重の間には強い正の相関が認められたことから,本種による摂食害は子実粒数の減少と稔実不足を引きおこし,その結果としてダイズが減収するものと考えられた。また,本調査における最少摂食害地点と最多摂食害地点を比較すると,最多摂食害地点の子実重は最少摂食害地点の約15%と大きく減収しており,本種による葉の摂食がダイズの収量に大きな影響を及ぼすことも明らかとなった。