研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
ウコンノメイガのダイズ葉に対する食害と収量の関係
樋口博也(北陸研究セ)
2002年,2003年と新潟県上越地域のダイズにおいて,ウコンノメイガが多発生した。そこで,2003年に本種のダイズ葉に対する食害とダイズの被害の関係を検討した。子実肥大期に,本種幼虫に加害された葉(被害葉)の株当たりの比率(被害葉率)が80%以上であった株20株と,10%以下であった株20株を選び,収穫後に被害解析を行った。株当たりの被害葉率が80%以上のダイズ株では,10%以下と比較し,茎径が小さく,主茎節数が少なくなったが,主径長と分枝数には差は見られなかった。被害葉率80%以上の場合,10%以下に比べ,全莢数が26.1%,稔実莢数が29.1%減少し,粒発育停止莢数が増加した。さらに,被害葉率80%以上では,10%以下に比べ,全粒数が25.2%,健全粒数が30.9%減少し,屑粒が増加した。健全粒100粒重は,被害葉率80%以上では28.0gと10%以下の36.8gと比べ軽くなった。以上より,本種幼虫に激しく加害された場合には,稔実莢,健全粒が少なくなり,さらに粒が小型化すると考えられる。