研究会(研究発表会)
第56回(富山)
講演要旨
石川農総研近郊雑草地における斑点米カメムシ発生種の変遷
八尾充睦・松崎兼秀(石川農総研セ)
カメムシ類の発生変動を知るために,1992年に石川農総研近郊の雑草地50地点を選定し,以後毎年7月第1半旬に同一地点で調査を行った。カメムシ類の発生は発生種,発生量ともに1999年以降増加する傾向にあり,中でもカスミカメムシ類の発生変動が最も大きかった。同地域におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの発生は1995年に初確認されのち,大きな増減もなく,1999年の累積発生確認地点率は6%にすぎなかったが,2003年には82%にまで達した。アカスジカスミカメの累積発生確認地点率は0%から42%に急増し,現在,カスミカメムシ類2種の混発現象がみられる。一方,従来からの発生種であるシラホシカメムシ類のうち,その主体であるトゲシラホシカメムシの発生は,1999〜2000年にかけてピークとなったが,現在は減少傾向にあった。替わってシラホシカメムシの発生が増加傾向にあり,シラホシカメムシ類3種が混発する地点も確認された。