研究会(研究発表会)
第57回(石川)
講演要旨
合成性フェロモンによるアカヒゲホソミドリカスミカメ発生消長の把握
樋口博也1・高橋明彦1・福本毅彦2・望月文昭2(1北陸研究セ・2信越化学)
アカヒゲホソミドリカスミカメの雌は性フェロモンを放出し雄を誘引する (Kakizaki and Sugie, 1997)。さらに,その成分も明らかにされ (Kakizaki and Sugie, 2001),性フェロモンの合成が可能となった。そこで,合成性フェロモンの量と雄に対する誘引性の関係を水盤トラップを使い調査するとともに,その合成性フェロモンの野外での誘引性の持続期間を検討した。合成性フェロモン0.01mgをゴムキャップに含浸させたものの雄に対する誘引性は,未交尾雌10頭と同等であった。また,合成性フェロモン0.01mgを含浸させたゴムキャップを野外に10日間,20日間,30日間放置しておいたものを誘引源として雄に対する誘引性を調査したところ,誘引性は30日間放置しておいたものでも低下しなかった。さらに,2004年4月から8月まで,合成性フェロモン0.01mgを誘引源とした水盤トラップをイタリアンライグラス圃場と水田畦畔に設置し,雄の誘殺消長を調査した。越冬世代成虫の発生時期は把握できたが,第1・第2世代成虫の発生時期を明確に把握することは難しかった。