研究会(研究発表会)
第57回(石川)
講演要旨
アカヒゲホソミドリカスミカメ合成性フェロモンを誘引源としたトラップの設置条件および誘殺消長
村岡裕一1・松本美枝子1・青木由美1・福本毅彦2・望月文昭2・樋口博也3・高橋明彦3(1富山農技セ農試・2信越化学・3北陸研究セ)
ゴムキャップに含浸させたアカヒゲホソミドリカスミカメの合成性フェロモン0.01mgは,雄に対して誘引性が高いことが明らかとなっている (樋口ら,2004)。そこで,発生消長を把握することを目的とし,合成性フェロモン0.01mgを誘引源とした水盤及び粘着トラップについて,設置高を検討した。イタリアンライグラスほ場に水盤トラップを設置し,誘引源の高さと誘殺数を比較した。誘引源の高さを地上から23cm及び73cmとしたトラップは,123cmと比較し誘殺される雄数が有意に多かった。また,出穂期頃のイネほ場に設置した粘着垂直トラップの誘殺数は草冠部の高さで多くなった。一方,早生イネほ場の隣接畦畔に設置した水盤トラップによる誘殺消長は,予察灯で把握できない5月の越冬世代成虫ピークをとらえ,すくい取り虫数とも概ね一致し,成虫の消長を把握できると考えられた。