研究会(研究発表会)
第57回(石川)
講演要旨
水田転換畑に生息する土壌細菌のダイズ白絹病菌に対する拮抗性
古河 衞・本多範行・岡本 博(福井農試)
水田転換畑におけるダイズの連作がダイズ病害の発病に及ぼす影響を明らかにするため,転換パターンの異なる圃場を設け,そこに生息する土壌細菌の数,種類,ダイズ白絹病菌に対する拮抗性について調査した。ダイズ播種前(4月上旬)における土壌細菌数はダイズを3年連作した区で最も多く,3年間でダイズを2作した区は1作した区より若干多かった。ダイズ播種直後(6月中旬)の調査でも連作区で細菌数が多い傾向がみられた。分離した土壌細菌の種類と分離率は転換パターンで異なり,連作圃場から分離された土壌細菌はグラム陽性菌の割合が高く,逆にダイズ1作区は連作区や2作区に比べグラム陰性菌の割合が高かった。白絹病菌に対し拮抗性を示す土壌細菌の割合は水田転換1年目の圃場で高かった。白絹病菌に拮抗性を示した土壌細菌の種類は,Flavobacterium flevense,Pseudomonas spinosa,P. fluorescens,Bacillus thermoglucosidasius,Cellulomonas cartae,Enterbacter amnigenus,Gordona sputi,Staphylococcus lentus,Vibrio tubiashiiであった。