研究会(研究発表会)
第57回(石川)
講演要旨
新潟県におけるキュウリうどんこ病に対するストロビルリン系薬剤の防除効果低下事例について
山口吉博1・中野潔1・石川和美2(1新潟防除所・2新潟農改セ)
2004年に新潟県豊栄市の2地区で夏秋キュウリにおけるうどんこ病の発生実態,防除実態及び薬剤防除効果を調査した。鳥屋では感染苗持ち込みによる初期発病が多く,10月下旬には発病度100の甚発生となり草勢が著しく低下した。高森新田では初期発病は少なかったが,10月下旬には発病度56の多発生となった。しかし,中〜下位葉の発病程度が低く生育への影響は小さかった。2地区とも定植後から7〜10日間隔で薬剤散布されたが,鳥屋ではストロビルリン系剤,高森新田ではDMI剤の散布が多かった。鳥屋から採取したうどんこ病菌に対する実用濃度での薬剤防除効果をキュウリ幼苗(品種‘久輝’)を用いた分生胞子の振るい落とし法により検討した。接種直前及び同3日後処理の防除価(処理2週間前後で判定)はそれぞれ,シフルフェナミド・トリフルミゾール顆粒水和剤では100,100と防除効果が高かった。キノキサリン系水和剤では70,88,テトラコナゾール液剤では32,68とやや劣った。アゾキシストロビン水和剤20では10,45と低く,防除効果が低下していると考えられた。